宮田の環境を守る会の使命

2015年5月、長野県宮田村大久保地区内に放射性物質を含む廃棄物最終処分場を建設する計画を民間事業者が明らかにしました。同業者の説明によれば、放射性物質含有の焼却灰・飛灰・汚泥を含む一般廃棄物及び産業廃棄物の最終処分場(122,400㎥)を建設するもので、「現地は玉石交じりの砂礫層で深度10m付近に地下水の存在が認められるが、独自の工法により克服できる」と説明しています。

 

わたしたちは同計画について、「1.最終処分場(管理型)の立地に適した場所なのか?」、 「2.なぜ、放射性物質を含む廃棄物を伊那谷に持ち込むのか?」、「3.事業と安全性の両立について、住民の不安を拭えるのか?」、という点で大きな問題があると考えています。

 

そこで同施設の建設阻止に向けて、宮田村内の各種団体が連携し、2015年9月15日に「宮田の環境を守る会」を設立しました。環境問題の専門家を招いた講演会の開催や広報紙(守る会通信)の発行による問題提起、すでに10万人を突破した建設反対署名活動の展開、天竜川水系に関係する市町村等への陳情活動、河川・井戸水の水質調査、計画事業者との話し合いなどに取り組んでいます。

 

中央アルプス駒ヶ岳に抱かれた宮田村の美しい環境を後世に引き継ぐため、そして健康で安心して暮らせるむらづくりを推進することは、わたしたちの使命です。引き続き、放射性物質を含む廃棄物最終処分場の建設阻止に向けた粘り強い運動を展開してまいりますので、多くの皆様のご理解ご支援をお願いいたします。

わたしたちの問題意識

1.最終処分場(管理型)の立地に適した場所なのか?

 

宮田村は中央アルプス駒ヶ岳に抱かれた自然豊かな村です。建設予定地は水量の豊富な太田切川と天竜川の合流点近くにあり、豊富な地下水が流れています。最終処分場の立地として適切なのでしょうか?汚染物質が流出すれば、天竜川水系の流域全体のイメージはもちろん、農業や観光を含めた社会的評価の低下を招きかねません。

 

2.なぜ、放射性物質を含む廃棄物を伊那谷に持ち込むのか

 

原発事故後に100Bq/Kgから8,000Bq/Kgに引き上げられた汚染物質の最終処分の基準は本当に安全なのでしょうか?持ち込まれた放射性物質を含む廃棄物を、誰がどの部分からどの程度の頻度で、サンプルとして採取・測定するのか、計測・監視の公的制度が整っていません。放射性物質の影響を受けていない地域に放射性物質を持ち込み、拡散させるべきではありません。

 

3.事業と安全性の両立について、住民の不安を拭えるのか

 

絶えず地下水に洗われる場所で大丈夫なのでしょうか?将来想定されている震度6から7の揺れに耐えられるのでしょうか?コンクリートブロックが崩れる可能性はないのでしょうか?採用する工法の強度・耐久性は大丈夫なのでしょうか?最終処分場廃止後は誰が管理するのでしょうか?不安の種は尽きません。